2022年夏公開の全国高卒求人票を調査した結果の一部をレポートします。
全数・充足群・非充足群、都道府県別・産業種別の詳細な集計結果を見ることができます。
現状、高卒求人に関する情報へのアクセス権は仲介者の役目を負う高校教育関係者に限定されているため、相場がわかる情報がとても不足しています。とくに求人事業者には情報がなく、どれぐらいの待遇条件を設定したらよいのか非常に分かりにくい状態です。これは一般に言われる「高卒給与が最低賃金に貼り付く」状況を生むと同時に、若年労働者の所得向上を妨げているように思われます。
高卒就職市場における直接関係三者注)間での相場観の共有が必要であると考えます。それは高卒就職市場に適正な競争の活性化を促すことであり、卒就職問題にとどまらず、採用難や賃上げ、若者の所得向上、少子化対策など、我が国の社会的課題の解決のためには不可欠なものなのであります。
(注)就職希望高校生、高校教員、求人事業者
(説明)
2022年7月から8月初めにかけて公開された高卒求人をA群とします。12月時点で公開中のものをB群。A群のうちB群に含まれず公開停止になったもの(C群)を充足したものとみなします。A群を全数、B群を非充足群、C群を充足群として集計しています。